『沈黙 -サイレンス-』 信じるとは。


理解できるのだろうかという不安がありつつも観ました。

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SILENCE  2017年 162分

あらすじ:
17世紀、江戸初期。日本で布教活動を行っていた高名なポルトガル人宣教師フェレイラが、キリシタン弾圧を進める幕府の拷問に屈して棄教したとの知らせがローマに届く。さっそく弟子のロドリゴとガルペが真相を確かめるべく日本へと向かい、マカオで出会った日本人キチジローの手引きで長崎の隠れキリシタンの村に潜入する。そして村人たちに匿われ、信仰を通じて彼らと心を通わせていく。やがてロドリゴたちの存在は、狡猾にして冷酷な手段を駆使して隠れキリシタンをあぶり出しては、彼らに“転び(棄教)”を迫る長崎奉行井上筑後守の知るところとなり…。(allcinemaより)



遠藤周作の小説「沈黙」を、マーティン・スコセッシ監督が構想28年の時を経て映画化。同じ原作で1971年に篠田正浩監督で作られた映画『沈黙 SILENCE』があるようですが未見、(キチジロー役がマコ岩松なのがなるほどと)小説も未読での鑑賞。

非情なキリシタン弾圧が行われている江戸初期の長崎を舞台に、自らの信仰心を極限まで試される若いポルトガル人宣教師の壮絶な葛藤の行方。

キャストはポルトガル人宣教師ロドリゴアンドリュー・ガーフィールド、同じく宣教師ガルぺにアダム・ドライヴァー、彼らの師であるフェレイラにリーアム・ニーソン隠れキリシタンのモキチに塚本晋也、キチジローに窪塚洋介、通辞に浅野忠信長崎奉行イッセー尾形、他に加瀬亮中村嘉葎雄キアラン・ハインズなど。

正直映画の内容をきちんと理解できているのかは怪しいんですけど。(・・A;)あせあせ 小説を読めばもう少し分かるのかしら。
キリシタン弾圧の過酷さ、殉教者を作るよりも自分が信じているものの裏切りが一番効果的という論理で追い詰められるロドリゴ
自分の信じるものが本当に信じるに足るものなのか、命をかける価値があるのか、なぜ神は蛮行を許し沈黙しているのか、というロドリゴの葛藤は観ているこちらにも考えを迫ります。
日本の”沼地”のような性質にはキリスト教は根付かないというくだりで、現在の日本と何も変わらないと、キリスト教以外の神を認めないことは傲慢ではないのかという問いに頷き、決して他人では信じるものは変えられないというラストに、精神は弾圧できないのだと感じたり。
キチジローの存在はロドリゴにとってはなんだったのか、そこがキモな気がするのですが、理解しきれていないですね。(>_<)

主演のアンドリュー・ガーフィールドの熱演も素晴らしいけれど、日本人俳優たちの演技も素晴らしくて、一途に神を信じる塚本晋也のモキチやイッセー尾形の奉行の曲者っぷりが印象的で、自然に演技させてくれている演出が嬉しいですね。

短くはないけれど、それほど長さも感じず。
タイトル通り全般的に静かな映画で、虫の音や波の音がBGMのシーンも。
台湾で撮影された自然の美しさも内容のハードさを和らげてくれているような気がしました。(日本で撮影したかったけれど、受入窓口が機能してなかったという噂)
ビビっていたほど重苦しくもなかったですよ。