『ノア 約束の舟』 映像表現の面白さ


最近ハリウッド大作にあまり食指が動いていないのですが、『ポンペイ』や『300』はさておき、ダーレン・アロノフスキー監督作だから『ノア 約束の舟』くらいは観ておこうってことで初日鑑賞。IMAXでもやってるんですけど、まあ2Dで(*´∀`)

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NOAH  2014年 138分

あらすじ:
ある夜、ノアは恐ろしい夢を見た。それは、堕落した人間たちを一掃するため、地上を大洪水が飲み込むというものだった。これを神の啓示と悟ったノアは、妻と3人の息子たち、それに蛮族に襲われ負傷しているところをノアに助けられ養女となったイラと共に、人間以外の生き物たちを守る箱舟の建設を開始する。やがて舟の完成が近づくと、どこからともなく現われた生き物たちが次々と舟に乗り込んでくる。そんな中、かつてノアの父を殺した宿敵トバル・カインが、舟を奪うべく群衆を率いて現われるが…。(allcinemaより)



旧約聖書の”ノアの箱舟”伝説を独自の解釈で描く壮大なスペクタクル映画。
天地創造、アダムとイブ、カインとアベルなども織り交ぜ、映像化不可能といわれていた”ノアの箱舟”をこだわりの映像で再現。

アダムの子孫であるノアは神からの啓示を受け、大洪水から善である生き物たちを救うための箱舟を作る使命を与えられた。10年かけて作られた箱舟に生き物たちが乗り込み始めた時、カインの子孫であるトバルが民衆を従え、箱舟を渡すよう要求する。

アロノフスキー監督作品って、実は『レスラー』と『ブラック・スワン』しか観ていないので、今回の映像にビックリ。荒れ地があっという間に川と緑が溢れた森になり、CGによる動物たちの大移動や、6日間の天地創造のシーンは約3分間の映像で語られます。特に面白いのは、ウォッチャーと呼ばれる地に落ちた天使の成れの果て。まるで『ロード・オブ・ザ・リング』の世界。

ノアにラッセル・クロウ、ノアの妻ナーマにジェニファー・コネリーと『ビューティフル・マインド』コンビ。ノアの息子セムダグラス・ブース、これから来そうなイケメンですね。ハムにローガン・ラーマン、最近陰のある役が多くなって来た様な~。イラにエマ・ワトソン、着々とキャリアを積んでますね。ノアの祖父にアンソニー・ホプキンス、トバル・カインにレイ・ウィンストン、この人は映画の度に印象が変わるので覚えづらい。他にダコタ・ゴヨ君や声の出演でニック・ノルティフランク・ランジェラなども。

箱舟の経緯の壮大な映像と共に、家族の話もしっかり描かれます。
調度スティーヴン・キングの「ザ・スタンド」という小説を読み終えたところで、神の啓示で悪と戦ったり、神は試練と生け贄を要求する的な話だった(キングの小説にはこの手の話が多いけれど)ので、妙にこの映画とシンクロし、信仰心と家族との間で板挟みになるノアの苦しみはすんなり理解できましたし、家族それぞれの気持ちも納得出来ましたが、観終わった時自分はどおいう感想を持つべきなんだろうとちょっと考えてしまいました。映像での表現方法は面白く(用心していたけどやはり手ぶれ映像も多少あり)アレンジされているストーリーがどうなっていくのか興味深く最後まで観たのですけど、感情移入出来る登場人物が居なかったからか、登場人物たちの気持ちは頭で分かっても、胸に迫ってこなかった気がしました。役者陣はみんな文句無く良かったんですけどね。