『シリアナ』『ハンター』


録画消化。硬派な作品続いてます。
今回の作品のテーマは、身勝手な人間によって犠牲になった人や生き物。


シリアナ

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SYRIANA  2005年 128分

あらすじ:改革に意欲的な王子ナシールが王位継承権を持つ中東のとある小国。長年危険な諜報活動に従事してきたCIA工作員のボブ・バーンズは息子の大学進学を機に引退を決意する。そんなボブに最後の極秘指令が下される…。ワシントンの大手事務所で働く野心溢れる弁護士ベネットは、アメリカの巨大石油企業コネックス社が絡んだ大型合併を巡る調査を任される…。
ジュネーブに暮らすエネルギーアナリストのブライアンは、ある不幸な出来事をきっかけに、ナシール王子の相談役に抜擢される…。ナシールの国に出稼ぎに来てコネックス社の油田で働いていたパキスタン人青年ワシームは、突然の解雇に遭い、路頭に迷う…。まるで繋がりを持たないはずの彼らの運命は、容易に見通すことのできない一つの巨大なシステムの中に深く組み込まれていく。(allcinemaより)



Wikipediaによると作品名の”シリアナ”とは中東の架空の国らしいけれど、シリア&イラク&イランを足したCIAの造語という説も。
元CIA工作員ロバート・ベアの告発本『CIAは何をしていた?』を元に製作。
巨大企業が自分たちの利権のために、国も巻き込んで何をしたのか。
もし実際に有ったことならやりきれない話だし、有りそうに思えるところが怖い映画ですね。

ジョージ・クルーニースティーヴン・ソダーバーグらが製作のため、キャストは豪華。ジョージ・クルーニーは体重を大幅に増量してCIA工作員を演じています。他に、マット・デイモンクリストファー・プラマーウィリアム・ハートクリス・クーパージェフリー・ライトマーク・ストロングなど。
監督は『トラフィック』でアカデミー脚本賞を獲得したスティーヴン・ギャガン

石油利権をめぐる国家レベルの陰謀の話に巻き込まれるCIA職員、油田で働く青年、エネルギーアナリスト、巨大石油企業、中東の小国など、登場人物も多く、あちらこちらの話が同時進行するだけに、話が分かりづらいのが難点。最終的にはからくりがわかるのだけれど、登場人物を覚えて、人間関係がどう絡んでくるのかが見えてくるまでに時間が掛かります。普通の青年がテロリストに変わっていく背景など、いろいろ考えさせられる内容でした。



ハンター

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THE HUNTER  2011年オーストラリア 100分

あらすじ:フリーランスの傭兵であり、凄腕のハンターでもあるマーティン・デヴィッドは、雄大な自然が残るオーストラリアのタスマニア島に降り立つ。彼の目的は、70年以上前に絶滅したはずの幻の野生動物、タスマニアタイガーを捕獲し、その生態サンプルを採取すること。最近になって目撃情報が寄せられたのを機に、バイオ企業レッドリーフ社が彼に依頼したのだった。
マーティンは現地ガイドのジャック・ミンディに紹介されたアームストロング家をベースキャンプに、捜索活動を開始する。しかし現地では、環境保護派と森林伐採業者が激しく対立し、不穏な状態が続いていた。(allcinemaより)


ハンター』と言ってもスティーヴ・マックィーンがバウンティハンターを演じた遺作の方ではなく(と書いたら再見したくなったけど(´Д⊂ヽ)、タスマニアタイガーを狙うハンターのお話。

絶滅したと言われている野生のタスマニアタイガーを、金のために探しにきた男と、偶然彼に部屋を貸す事になった一家との関わりを通して、孤独な男が心を開き始めるが、それを良く思わない者たちも。

ハンターにウィレム・デフォー、最近コミカルな役ばかり見ていた気がするので、シリアスな役が久しぶりな感じ。他にサム・ニール、フランシス・オコナーなど。
監督はダニエル・ネットハイム

絶滅危惧種を保護するのではなく、稀少なものを欲しがる欲を持つ者も居るらしい。
依頼に応えタスマニアタイガーを狙うハンターも当然1人ではないので、競争に。
タスマニアタイガーを絶滅させないために環境保護を訴える者、森林伐採を商売にしている者の対立で、地元の空気も一触即発で淀んでいます。
果たして、タスマニアタイガーは絶滅したのか、まだ生き残りが居るのか。
そんな中で母親と子供たちとの交流がハンターの心を和らげますが、悲しい結末に。
それでも、ちょっと希望が残るラストでした。
サスペンスでもあるけれど、見終わるとドラマな印象が強い作品です。