『6才のボクが、大人になるまで。』 成長するのはボクだけではない


こちら地方では遅れて公開の『6才のボクが、大人になるまで。』を観てきました。
2時間45分の長尺ですが、少しも退屈しませんでしたね。

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BOYHOOD 2014年 165分

あらすじ:テキサスの田舎町に住む6歳の少年メイソンは、母のオリヴィアと姉サマンサとの3人暮らし。父親のメイソン・シニアは離婚してアラスカに放浪の旅に出てしまった。シングルマザーとなったオリヴィアは、キャリアアップを目指して大学への入学を決意し、メイソンとサマンサを連れてヒューストンに移り住む。そこで多感な思春期を送り始めたメイソンは、やがて母の再婚や風来坊の父との交流、そして初恋と、様々な経験を重ねていくが…。(allcinemaより)


同じキャストで12年間の間、夏の一時期だけ撮影して、少年が6才から18才になるまでを描いた作品。フィクションですが、観ている間に本当の家族にしか思えなくなってきます。

1年ごとに撮っているはずですが、いつのことという説明はなく、メイソンの髪型などで時の流れを感じます。特別なことが起きる訳でもなく、どこにでも居そうな一家族の12年間。6才の少年メイソンを軸に、彼が18才になり大学へ通うために親元を離れるまでの家族の日常を描いています。両親の離婚、引越、母親の再婚に伴う家族の変化、2度目の離婚、初恋、夢中になるものなど、メイソンの成長を見守るうちに、身近な家族の様な気さえしてきます。

メイソンにはオーディションで選ばれたエラー・コルトレーン、彼自身の映画ということも出来そうですね。写真家になりたいというのも、コルトレーン自身が写真に興味を持ったことをそのまま作品に取り入れたそう。
姉のサマンサは監督の娘であるローレライ・リンクレーター、映画を見ながら両親どちらにも似てないよなと( ̄∀ ̄*)イヒッ
父親にリンクレーター監督の盟友イーサン・ホーク、母オリヴィアにパトリシア・アークエット、各賞レースの助演女優賞を総なめ。
父の友人ジミー役でチャーリー・セクストンが出ています。渋いです( ̄∇ ̄)ニヤッ
他はあまり知らない俳優さんたちでした。
監督は『ビフォア~』シリーズのリチャード・リンクレーター

家庭を持っていない自分が、少年の成長を通した家族の話に興味が持てるのかという心配も有りましたが、しっかり惹き込まれていましたね。子供たちはもちろん、大人もそれほどセリフが多くはないのですが、その時々のメイソンやオリヴィアの気持ちもよくわかり、感情移入はしていないつもりでしたが、メイソンの旅立ちのシーンでは思わず泣きそうになりました。
メイソンの成長の話であると共に、オリヴィアや父の成長の話でもありましたね。
その辺りがこの映画の評価の高さに繋がっているんでしょうね。
リンクレーター監督は続編も考えているそうですが、どんな内容になるのか楽しみです。