『イントゥ・ザ・ワイルド』 “真実の幸福”を求めて

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引き続き塗りつぶし。

そしてこれも実話です。

1992年にアラスカの荒野で死体となって発見された若者クリストファー・マッカンドレス。

その生と死に迫ったジョン・クラカワーのベストセラー・ノンフィクション「荒野へ」をショーン・ペンが監督

  イントゥ・ザ・ワイルド  INTO THE WILD  2007年 148分

あらすじ: 大学を優秀な成績で卒業したクリス(エミール・ハーシュ)は車や財布を捨て、自由を手に入れるための放浪の旅に出る。労働とヒッチハイクを繰り返し、アメリカからアラスカへと北上。アラスカ山脈の人気のない荒野へと分け入り、捨てられたバスの車体を拠点にそこでの生活をはじめる。(シネマトゥデイ

楽しいラストじゃないのを知っていたので、なんとなく見そびれていました。

ガラスは弱いから壊れるのではなく、繊細だから壊れやすいみたいなセリフがありましたが、

どおしてどこまで?って旅先でクリスが出会った人たちと同じように思いました。

人との接し方も丁寧だし、なぜそこまで人を避ける必要があったのか?

旅での経験や出会いでいろいろ考えも変わっただろうに。

最後まで家族に連絡できなかった心が、

アラスカへ向かわせたのでしょうか?

純粋っていうのは両刃の剣

学校ではサバイバルは教えてくれない。

自然は壮大で魅力的だけど、残酷でもある。

答えを見つけた彼の、最後が安らかであったことだけを願います。


ただ悲しいだけの映画になってないのは、

映画化権獲得に10年近い歳月を費やし自ら脚本も手がけているというショーン・ペンの手腕でしょう。

美し過ぎる自然に、彼の孤独が感じられました。

ロードムービーは好きなんだけど、

それは旅を通して成長した主人公が、最後には家へ帰るからかもしれない。

だからこの映画は、自分にはロードムービーとは思えない。


18kg減量して挑んだエミール・ハーシュ、とっても自然な演技で先が楽しみです。

アカデミー助演男優賞にノミネートされたハル・ホルブルックがまた良い。

アメリカン・ニューシネマの要素もあるものの、悲愴感ではない何かがある作品です。