『ラビット・ホール』 を抜けると、どこかに幸せな自分が居るかもしれない


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                RABBIT HOLE      2010年 92分

あらすじ:閑静な住宅街に暮らすベッカとハウイーのコーベット夫妻。彼らの幸せな日常は、ある日突然一変してしまう。最愛の一人息子ダニーが、自宅前で交通事故に遭い亡くなってしまったのだ。以来、夫婦は同じ喪失感を抱きながらも、悲しみとの向き合い方は対照的で、次第に愛する2人の間にも溝が生まれていく。絶望の大きさを受け止めきれないベッカは、気遣う周囲にも辛く当たるようになる。そんなある日、彼女は息子を轢いた少年を偶然見かけ、思わず彼を尾行してしまうのだったが…。                       (allcinemaより)


デヴィッド・リンゼイ=アベアーによるピュリツアー賞受賞の同名戯曲の映画化、彼自身が映画脚本を執筆。

4歳の息子を交通事故で亡くして8カ月、ベッカとハウイー夫妻の悲しみは深く、

夫婦仲もギクシャクしていた。

夫ハウイーは同じ境遇の夫婦が集まる会に慰めを見出していたが、会に馴染めない妻ベッカ。

自分も息子を亡くした母の助言も聞かず、妊娠している妹を見るのも辛い。

偶然息子を轢いた少年ジェイソンを見かけたベッカは、つい彼を尾行してしまう。


夫婦であっても悲しみ方や気の紛らわせ方、慰めを求める方法も違っていて、

夫は息子の物を側に置いて息子を感じていたいと思い、妻は息子の物を捨て悲しみを忘れたいと思う。

前へ進もうと言う夫、もう何処へも行けないと言う妻。

加害者の少年をなぜ追いかけてしまったのか、なぜ話したいと思ったのか。

謝罪の言葉を聞きたい訳ではなかった。

彼もまた深く傷ついていたから。

少年が書いていた漫画の題名が「ラビット・ホール


ニコール・キッドマン、アカデミー主演女優賞ノミネート、クールな優等生的な役柄はピッタリ

アーロン・エッカート、ハンサムで優しく耐える夫、良いですね~!

ジェイソン少年のマイルズ・テラーも静かに痛みを表現していて上手いですね、注目株かな。

ベッカの母にダイアン・ウィースト、もうお母さん役ではナンバー1かも。



ジェイソンの卒業式の姿を見て、タガが外れたように泣き崩れるベッカ。

ジェイソンに息子を重ねていたのか、もう何も出来ない息子を想ったのか、

想わずもらい泣き(T^T) ヒック

心が離れかけていた夫婦が、結局責めていたのは相手ではなく自分自身だったと互いに分かり、

共に歩んでいこうと決めたラスト。

悲しみは癒えることは無いけれど、

重くのしかかっていた大きな石の様だったのが、

時が経つと、ポケットの小石くらいになってくるという、お母さんの言葉が印象的でした。