『ヒッチコック』 米版山内一豊の妻


サスペンスの神様アルフレッド・ヒッチコックの知られざる素顔に迫る伝記ドラマ『ヒッチコック

公開初日鑑賞してきました!

サイコ』の撮影秘話と二人三脚でやってきたヒッチコック夫妻の物語だと思って観ましたが、

イメージとはちょっと違っていましたね。

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                 HITCHCOCK       2012年 99分

あらすじ:1959年。新作「北北西に進路を取れ」が評判となる中、さっそく次回作へ向け誰もが驚く映画の企画探しを開始したヒッチコック。やがて、実在の殺人鬼エド・ゲインをモデルにした小説『サイコ』に心奪われ、映画化を決意する。しかし、優秀な映画編集者にして脚本家でもある妻アルマはこの企画に懐疑的。案の定、その陰惨な内容に映画会社は二の足を踏み、出資を拒否する。それでも諦めないヒッチコックは、ついに自宅を担保に自己資金での製作に乗り出す。そんな夫の熱意の前に、アルマもこれまで同様のサポートをしていくが…。
(allcinemaより)


ティーヴン・レベロの『アルフレッド・ヒッチコック&ザ・メイキング・オブ・サイコ』の映画化。

まず『サイコ』が、実際の殺人を基にした同名小説からだったということを初めて知りました(^_^;)

ノーマン・ベイツのモデルになったエド・ゲインは『羊たちの沈黙』のバッファロー・ビルのモデルでもあり、

有名な殺人鬼だったんですね。

ヒッチコックがなぜエド・ゲインに惹かれたのかも興味深いのですが、そこは匂わせる程度。

陰惨で猟奇的な殺人事件の話にパラマウントは出資を拒み、

それでも撮りたかったヒッチコックは私財で製作することにしますが、

映倫も難色を示し、様々な障害とプレッシャーがヒッチコックに降りかかります。


サイコ』の製作から公開までのヒッチコックと妻のアルマに焦点を当てて描かれますが、

アルマの方に注目してしまいますね。

ブロンド美女に執着する夫に怒り、夫を支えるだけの生活に苛立つアルマ、

アカデミー賞こそ受賞していないけれど、世間からは天才だとか神だとか呼ばれる夫に対して無名の自分、

彼女は脚本家としても編集技師としても助監督としても優秀であったために尚更ですね。

アルマが自分の楽しみを持とうとするのをヒッチコックは気に入らず、

常に自分だけを見ていてもらいたいんですね。我儘ですね( ̄ー ̄)ニヤリ



ヒッチコックって、吹替えしていた熊倉一雄のユーモラスなイメージが強いからかもしれません(^_^;)

表情があまり変わらない役なのに、感情が分かるのは流石でしたが(^_^;)

ヘレン・ミレン演じるアルマの方が知らない分違和感無かったですね。


ヒッチコックのアシスタントのペギーにトニ・コレット、メガネを取るまで気づきませんでした(^_^;)

一番似てると思ったのは、アンソニー・パーキンス役のジェームズ・ダーシー



裏話も興味深いし、ヒッチコックの知らなかった私生活も面白いのですが、

ヒッチコックの心理状態を表すシーンに、エド・ゲインが出てくるんですね。

それが全体のトーンを乱しているような気がしました。

そのためかヒッチコックの知られざる姿を描く伝記物なのか夫婦愛の人間ドラマなのか、

なんとなくどっちつかずな印象(^_^;)

それでも夫婦で協力して困難を乗り越え、無事上映にこぎつけた終盤は盛り上がりましたが、

感動とか涙とかってタイプでもないかな(^_^;)

印象的なシーンが多いのに繋げるとなんだか散漫になってしまった様な感じですが、

いろいろと興味深い作品ではあると思います。