『パレルモ・シューティング』 久しぶりのヴェンダース


ヴィム・ヴェンダース監督の『ベルリン天使の詩』が大好きなのですが、
最近のヴァンダース映画はすっかりご無沙汰(・・A;)あせあせ
直近に観たのって『ミリオンダラー・ホテル』かも?( ̄▼ ̄;アハッ・・・・

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PALERMO SHOOTING  2008年独/仏/伊 108分

あらすじ:ドイツのデュッセルドルフ。世界的な成功を収めた写真家のフィンは、時間に追われる忙しい日々に、いつしか心身共に疲れ果てていた。ある日、不思議な体験をして危うく死と直面しかけた彼は旅に出ることを決意、ミラとの撮影を兼ねてイタリアのパレルモへと向かう。撮影後もパレルモにとどまるも、依然として死につきまとわれるフィン。そんな時、巨大な壁画の修復を行う謎めいた美女フラヴィアと運命的に出会うフィンだったが…。(allcinemaより)



2008年のカンヌ国際映画祭パルムドール出品作品。日本公開は2011年。
”新しいタイプのロードムービー”ってことですが、『ベルリン天使の詩』をちょっと思い出させる雰囲気。

フィンは写真家として成功していたが、仕事でもプライベートでも疲れ迷い眠れない夜を過ごしていた。そんなとき仕事で訪れたイタリアのパレルモの街で誰かから矢を射られる。不思議と怪我をしていないフィンだったが、偶然知り合った女性フラヴィアと共に自分を狙っている人物を捜そうとする。

フィンにはドイツのバンド“ディー・トーテン・ホーゼン”のボーカル、カンピーノ、フラヴィアに『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』のジョヴァンナ・メッツォジョルノヴェンダース監督作には『アメリカの友人』以来30年ぶりとなるデニス・ホッパーほか、ミラ・ジョヴォヴィッチルー・リードが本人役で出演。

始めのうちはフィンの夢か妄想のシーンと現実シーンが入り交じるので戸惑うかもしれません。何を象徴しているのかはよくわからないけれど、大きくなったり小さくなったりなど、まるで「不思議の国のアリス」の様な描写があったり、また無限階段が出てきたりと、今までの監督作のイメージとは違っています。
デュッセルドルフの夜景や、パレルモの街の映像などは生活感がしっかり有りながらもとても綺麗。古い街の良い味が出ています。
フィンが聴いている音楽としての音楽の使い方も面白い。
描き方は違っても、死が有るからこそ生を愛おしむというテーマはやはり『ベルリン天使の詩』と同じですよね。
エンドクレジットの最後でミケランジェロ・アントニオーニイングマル・ベルイマンに捧げられていました。