もうひとつの 『ハルク』

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アン・リー監督、エリック・バナ主演、2003年版『ハルク』

詳細をすっかり忘れていたので再見です(^。^;;

    ハルク   HULK  2003年 138分
  
ストーリー:ブルース(エリック・バナ)は、細胞の蘇生を研究する科学者。
同僚で元恋人のベティ(ジェニファー・コネリー)と遺伝子実験を実行するが、
些細なミスが大事故を引き起こしてしまう。
致死量のガンマ放射線を浴びたはずのブルースは、無傷で生還するが、彼の中で何かが変わり始める。
ブルースは、怒りをコントロールできなくなると強大なパワーですべてを破壊するハルクへと変身するのだった。
ベティはブルースを助けるため、すべての秘密を握るブルースの父、デヴィッドに接触するが…。

基本の人物設定は同じですが、ストーリーはかなり『インクレディブル・ハルク』とは違いましたね。

まず、ハルクになるきっかけとなった原因ですが、

こちらは、遺伝子研究のために自ら実験台になった父親の、DNAを受け継いでしまったことが原因です。

この父親デヴィッド(ニック・ノルティ)が大きく関ってきます。

ベティの父親である将軍(サム・エリオット)は、過去にデヴィッドの暴走を止めた因縁を持ち、

過去を覚えていないブルースが、偶然にも父親と同じ研究をしているのを知り、驚愕します。

しかし将軍は、ハルクという存在を純粋に止めようとするだけで、

金儲けに彼を利用しようとするのは、別の人間です。


ブルースの過去にハルク誕生の秘話を絡めたサスペンス色の強いストーリーで、

フランケンシュタインを連想させるような、存在の悲しさが描かれています。


ヒーロー物につきものの、強烈な悪役も出てきません。

デヴィッドも将軍も、結局子供のために動いていて、

最後は父の愛だったと受け止めています。

恋人同士の愛、親子愛、存在の葛藤など、ドラマ部分のウェイトが大きいですね。


エンターテイメント性の低さからか、収益があがらなかったようですが、

個人的には、嫌いではありません。

CGもそれほど悪くはないし、分割画面を使ってコミックぽさも。

エリック・バナの無垢で誠実な感じや、

ジェニファー・コネリーの真摯な美しさ。

俳優陣も良かったと思います。


インクレディブル・ハルク』とは、まったく別物と思ったほうが良いですね。