『ダラス・バイヤーズクラブ 』 生き延びるための闘いが、救うための闘いに


今更ですが、ようやく見ました!
2013年第86回アカデミー賞主演&助演男優賞受賞作品!

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DALLAS BUYERS CLUB 2013年 117分

あらすじ:
1985年、テキサス州ダラス。酒と女に明け暮れ、放蕩三昧の日々を送るマッチョなロディオ・カウボーイ、ロン・ウッドルーフ。ある日、体調を崩した彼は、突然医者からHIVの陽性で余命30日と宣告される。ほかの多くの人同様、エイズは同性愛者がかかる病気と信じていたロンにとって、それはあまりにも受け入れがたい事実だった。それでも生きるため、エイズについて猛勉強するロン。やがて、アメリカでは認可された治療薬が少ないことを知り、有効な未承認薬を求めてメキシコへと向かう。そして、トランスジェンダーエイズ患者レイヨンの協力を得て、大量の代替治療薬を国内のエイズ患者にさばくための仕組み“ダラス・バイヤーズクラブ”を立ち上げるロンだったが…。(allcinemaより)



実話ベースのお話。
電気工でロデオカウボーイのロン・ウッドルーフは、ある日突然HIV陽性と診断され余命が30日だと言い渡される。決定的な治療薬がなくメキシコを訪れたロンは、臨床試験中のAZTは実は免疫力を低下させることを知り、未承認薬を仕入れて売ることを思いつく。

自分が生きるための闘病話かと思っていたらそれだけに留まらず、次第に大きな活動となり、製薬会社と病院の癒着や、治療薬を認可しないアメリカ社会との戦いへと向かう硬派な社会派ドラマでした。

ロン役のマシュー・マコノヒーは20kg激痩せ、冒頭から別人。『マジック・マイク』でマッチョボディを披露した翌年というのが凄い。
レイヨン役のジャレッド・レトも13kg落としての熱演。女装姿が綺麗。
医師として最初は戸惑いながらも、2人を応援するようになるイヴ役のジェニファー・ガーナーも普段とは全く違ってます。
監督は『ヴィクトリア女王 世紀の愛』のジャン=マルク・ヴァレ

社会派ドラマであると同時に、ロンの心の変化も描いています。
生きるための執念で辿り着いたメキシコで不認可薬のことを知り、自分のためと同時に金儲けのつもりで始めた”ダラス・バイヤーズクラブ”、そのうちクラブのメンバーを守るために働くようになります。
エイズに感染したのがわかる前は、酒・女・ドラッグ・賭事などに手を出し、ゲイに偏見を持っていたロン、自分がエイズになり、ゲイと間違われて始めて弱者の気持ちを考えるようになります。嫌っていたレイヨンを庇い、偏見のないイヴに惹かれていきます。
余命30日と宣告されてから、7年生き延びたロン。
大勢の命を救った”ダラス・バイヤーズクラブ”を作ったヒーロー映画ではなく、1人の男の生き様を描いた作品でした。